私は知っている。
取り乱しそうだから感情を仕舞い込んで冷静を装ってしまいがちな兄を。
私がこんなに悲しいんだから、あなたが悲しくないわけがない。
知っている。
泣きじゃくる姉に怒られても、姉のように感情剥き出しにはなれず、羨ましいと思ってること。
こんな時だからこそ冷静でなければならないと思いこんで、涙も出せないことを。
兄も、妹も、とてもおせっかいで人のことが大好きで放っておけない性格。
まるであなたのコピーのような私は、手に取るように兄の心がわかる。
そんな兄が、淡々としているのは、
誰かの支えにしっかりなれるように、自分ぐらいは平常心でいなくてはと思ってるからに違いない。
兄はいろいろあって、2年前からボロボロで戦っている。そのとても辛い1年を過ごしていたところに届いた今年の始まりの知らせから、急スピードで私の知らなかった顔を出し始め、一気に弱くなった兄。
本人はその影響だと気づいていないけど間違いなく、気にしていた。
最後まで会いには行かなかったけれど、間違いなく会ったらもっとボロボロになってしまっただろうから、私だけは絶対にあなたを責めたりしない。
でも、それを責める姉には知ってほしい。本当は兄も会いたかったはず。
その場で泣いたり心配の声をあげるのは簡単だ。でも、その後にずっと考えていられるだろうか。
でも、そういうことなんだ。
きっと姉以上に兄は妹のことを考えていた。そして、妹のことだけではなく、今生きる、これから付き合っていく今の人との関係のこともどのようにするか、なるのかを考えていたはず。兄はそういう人。
本当は姉もそんな兄のことをわかってるから、どうして素直にならないんだと怒っているのだ。
妹もわかっているから、怒らないと思う。
「仕方ないよ、兄だもの」と笑ってさえいそうだ。
きっと、そこにいるなら、私に「兄を支えてあげてよ」と言っているだろうし「それと私の大切な人のことをよろしくね」と言っていると思う。
離れていても、いつだって娘の様に大事にしてくれた。何のお知らせをしなくてもいつのまにか知っていて応援してくれていた。過保護で、おせっかいなところ、驚くほど、兄と妹は似ていた。
妹はギターを持っていて、18年前、私に貸してくれて、やりたいことをとことんやりなよ!と言ってくれた。兄が妹に頼んでくれたらしい。「兄に頼まれたんだよ、君のことよろしくって」ってと笑ってた。その時、この人達は私の知らないところでちゃんと兄と妹なんだと知ったっけ。私の知る、姉兄妹は、全員、とてつもなくおせっかいで、人なつっこくて、パートナーも優しくて、その娘息子も優しくて、、当たり前だ、これからも大切にします。
泣くのは本当に簡単だ。ヒロイン気取りな自分が嫌だ。夢ならいいのに、全然ねれないや。