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時をかける少女

新宿の映画館で見かけたときは、驚いた。
「時をかける少女」
という映画??
そのタイトルの本なら、小学生の低学年の頃に、
読んだ本だったから。
しかも、その本と出会った場所は、
実家の本だらけの部屋で、
その本の持ち主は、
亡くなったおばあちゃんか、おじいちゃんか、
私のお父さんか、お父さんのお姉ちゃんか、妹さんのだ。
本だらけの部屋だけど、
その中の本は、全て、本棚に収納されていて、
しかも「時をかける少女」の本は、
その本棚の中でも一番、綺麗で怪しい本棚の
一番下の引き出しの奥に入ってたんだ。
(外国のお人形とかも一緒に飾れられている、ガラスの扉付の
本棚だったから、なんかちょっと、恐いの。)
その頃の私は、父がとっておく全ての古い物の中に、
お宝的なものはないかと、こそこそ、内緒で探していたの。
ばれたら、怒られる、と思ってた。
ばれなかったけど、ばれても怒られなかったと思う。
でも、動かしたものを元に戻さないのは、泥棒だと怒られた。
『”ちょっと貸して” ”ちょっと頂戴”が言えないのなら、
ちゃんと返すんだ』と、よく怒られてたなぁ。
そんな宝探しの中、
あの本だけは、すごく惹かれるものがあって、
開いたんだ。
その部屋の中の本は、ほとんどが古くて、
黄ばんでいるものもあったし、ほこりまみれもあった。
その本もそんな本のひとつ。
でも、表紙が真っ青で、その中央に、
ちょっと、恐い少女が一人、手招きしてるみたいに、
こっちに手をのばしてた。
今の私なら、恐くて開かない本だけど、
なぜか、あの時は、惹かれるものがあったんだ。
でも、読んだら、
「これは、すごいお話だ!!!」と
すごい驚いたのを覚えてる。
隠し事を隠しておけないタイプの私は、
結局、自分から白状してしまう。
その晩、父に「時をかける少女って知ってる?」と、
聞いてしまうのだ。。。笑。
でも、お父さんは何て答えてくれたか覚えてない。
確か、お父さんの妹さんが知ってて、
「読んだの?」と色々話した気がする。
あの本が、まさか、映画化??
なぜ今?
私が、時の中をかけてるみたいな気分だ。
なぜ、”あの頃”が、”今”にあるの?
あの頃に戻りたい、って、思ったことはあるけど、
実際、戻ったら、私、恐くて仕方が無い。
だから、戻りたい、なつかしいなぁ、が、好き。
思い出でいいの。
今を生きるの。
あの本は、やっぱり素敵だけど、恐いや。
でも、実は、今日、その今の、映画を見たの。
ギャオ?っていうサイトで。
なんか、絵で見ると、また違うね。
内容を全て覚えているわけじゃないけど、
やっぱり、映画を見ていても、
時は戻せないほうが良かったな、と思う。
愉以
https://sunny-place.org/

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この記事を書いた人

ミュージシャン、作詞家、Webデザイナー。

長所:人見知りしないので、気になる人にはどんどん話しかけていくことができること。好奇心旺盛。人を信じやすい。

短所:興味をもったらどんどん手を広げてしまうので中途半端である。
自分に甘いこと。おせっかい。人を信じやすい。

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