６月　紫陽花寺にかけこんで

１１月　少し肌寒くて　横を歩く君を見上げた
まだ帰る時間じゃないのに　街は暗くなってゆく
何を考えているのかわからない
無口だった君が選んだ　
そのひとつひとつの言葉が
とても優しく感じられて
大事な言葉　ひとつください
たったそれだけで　わかると思う
でも　その言葉だけは出てこなくて
くすぐられたみたいに　何か残った
６月　雨が強くなって　傘に隠れて　君を探した
ここに居るべきじゃないのに　街は暗くなってゆく
紫陽花から水滴が落ちる
気になってた君がくれた
意外な言葉に　嬉しくなって
その手に引き寄せられる
短い言葉　ひとつください
きっとそれだけで　わかると思う
でも　受け止めてはいけないのに
引き出したくなる　もう少し
好きと言って　触れてほしくて
わかってるのに　心が言うことをきかない
泣くことができない　話すことができない
ワガママになれない　もう少し傍に居て
今すぐ会いにいけるのなら
私はどこに行くだろう
愉以
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